2022年11月 25

神奈川県知事
黒岩 祐治 殿

公明党神奈川県議会議員団
団長 亀井 貴嗣
 
2023 (令和5 年度 予算・政策要望にあたって

 
 長期にわたる新型コロナウイルス感染症との闘いや、緊張が続くウクライナ情勢、さらには急激な円安の進行等によってわがでは経済・社会先行き不透明感が高まっています。
本県においても、ネルギー価格など物価の高騰日々の暮らしを圧迫し、県民の不安に拍車をかけていますそのような中、県政に求められているのは、眼前の危機を乗り越え、県民が将来に希望を持ち、安心して生活できる政策の実現です。
公明党神奈川県議団は、本県が直面する少子高齢化や格差拡大などの諸課題に真正面から取り組み、具体的な提言を重ねてまいりました。黒岩知事並びに県当局におかれましては、さらに実効性ある政策推し進めてただきたく、ここに56項目にわたる事項を「2023(令和5)年度 予算・政策要望として提出いたします。真摯なご対応を何卒よろしくお願い申し上げます。

2023(令和5)年度 予算・政策要望

 
(一部、警察本部及び教育庁への要望も含まれています)
 

1.災害に強い県土を構築する

 

  • 流域治水プロジェクトに則り、流域治水対策を着実に推進すること。

  • 急傾斜地崩壊対策工事における公共事業採択基準のより一層の緩和を国に働きかけること。また国の公共工事採択基準未満のガケに対する県単独事業を継続・拡大し、急傾斜地整備をさらに促進すること。

  • 防災・減災対策については、情報の発信や現況の掌握、被災想定など災害対応のデジタル化や、ビッグデータのAI解析などの新技術を十分に活用して進めること。

  • 災害時に民間の力を活用する「官民」「民民」連携を推進するため、マニュアルやガイドライン等を策定し、安全・円滑に活動できる体制を構築すること。

 

2.事故や犯罪から県民を守る

 

  • 歩道や自転車専用道路の整備を促進すること。

  • 特殊詐欺対策にデジタル技術を導入するなど有効的な取組を実施すること。

  • 交番の統廃合については、地元住民の理解と納得の上で進めるとともに、「アクティブ交番」の配置を推進すること。

  • 防犯カメラの設置に対する補助制度を継続し、さらなる拡充を図ること。

  • 交通安全施設の整備を進め、路面標示の補修等については地域の要望に迅速に対応すること。

  • 誰もが安全安心に活動できるよう道路や施設のバリアフリー化を推進すること。

  • 県内主要駅のホームドア設置を推進すること。

  • かながわ性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター「かならいん」における被害者支援の充実を図るため、病院連携型の支援センターをめざすこと。

  • 犯罪被害者や遺族への見舞金給付制度を創設すること。

 

3.がんや感染症の制圧をめざす

 

  • がんゲノム医療など最新の医療を一人でも多くの患者が受けられるよう、県立がんセンターの機能充実を図ること。

  • 県内医療機関におけるラジオアイソトープ治療を推進すること。

  • がん患者等に対する就労と治療の両立支援策を拡充すること。

  • 妊孕性温存治療における精子・卵子の凍結保存費用の助成を検討するなど、さらなる拡充をめざすこと。

  • 新型コロナウイルス感染症の罹患後症状やワクチン接種後の長引く不調について、実態把握や原因究明に取り組むとともに、医療・健康面だけでなく就労や就学についても相談できる体制を整備すること。

 

4.困難を抱える人々に寄り添う

 

  • 貧困世帯の子どもの居場所づくりや学習支援の拡充を図ること。

  • 児童相談所退所後の若者支援「ケアリーバー対策」を拡充すること。

  • メタバース等を活用した「ひきこもり対策」を推進すること。

  • ケアラー(ヤングケアラー、ダブルケアラーや老老介護者等)に対する支援の充実を図ること。

  • 特定妊婦のためのシェルターの設置等、「困難な問題を抱える妊婦」のための支援策を講じること。

  • 困難な問題を抱える女性への支援体制を強化するため、女性相談員の質・量の向上を図ること。

  • JKビジネスやAV出演強要から若年女性を守るアウトリーチ型支援を再開すること。

  • ゲートキーパーの育成や相談体制の充実を図り、自殺対策を強化すること。

  • メンタルの問題を抱える人に寄り添う「心のサポーター」の養成を推進し、悩みを打ち明けられる環境を構築すること。

  • 建て替えまで長い年月を要する団地については、住民の高齢化に対応するためのエレベーターの設置や、エアコンを設置しやすいように設備の改善を図るなど、居住福祉の推進に努めること。また、県による共益費の徴収など、居住者ニーズにかなった施策を推進すること。

 

5.次世代の担い手を育む

 

  • 年収枠の撤廃や県外通学者への対象拡大など私立高校授業料実質無償化のさらなる拡充を図ること。

  • フリースクール、フリースペース等への支援を拡充し、不登校児童・生徒に学びの場を確保すること。

  • 県立高校全教室へのエアコン設置を促進するとともに、その利用が制限されることがないよう電気代等の必要経費を担保すること。また、避難所として活用が想定される体育館への設置も推進すること。

  • 県立学校のトイレ環境の改善に取り組むにあたり、バリアフリーの観点から温水洗浄便座の設置も進めること。

  • 特別支援学校の過大規模化を解消するとともに、設備の充足を図ること。

  • インクルーシブ教育実施校の拡大と教育内容の充実を図ること。

  • 小児医療費助成事業の補助対象年齢を引き上げること。

  • 子ども自らが声を上げることができる「こども人権擁護センター(仮称)」を設立し、子どもの権利を守ること。

  • 若者のヘルスリテラシー構築のためプレコンセプションケアに取り組むこと。

  • 相模原市立大野南中学校夜間学級では他自治体からの受け入れを行っているが、横浜市、川崎市の「夜間中学」においても、全県からの受け入れができるよう取り組むこと。

 

6.経済・社会に活力を吹き込む

 

  • 物価高騰や円安に対応するための相談窓口や制度融資、新事業展開などの支援策の拡充に取り組むこと。

  • コロナ禍で打撃を受けた中小企業等に対し、引き続き十分な支援を行うこと。

  • 中小企業等が取り組む人材育成のためのリスキリング、リカレント教育を県として支援すること。その際は、企業、個人ともに活用しやすい仕組みとすること。

  • 官民にわたるデジタル人材の育成と確保に努めること。

  • 科学技術立県を支える研究者の育成と確保に努めること。

  • 持続可能な農林水産業施策を推進し、実効的な担い手確保施策を講じること。

  • 本県における「ウィズコロナの観光産業復興」の取組を推進すること。

  • 労働者協同組合法に基づく協同労働は、地域コミュニティの活性化に資する取組ともなることから、その普及に対し県として支援すること。

 

7.誰もが輝ける社会をつくる

 

  • 障がい者差別解消のためのワンストップ相談窓口を設置し、課題の解決にあたること。

  • メタバースを活用した障がい者就労支援を実施すること。

  • パラスポーツの普及と、そのための体制強化を推進すること。

  • 最新型電動車いすなど多様なモビリティを活用できる環境を整備すること。

  • 生活支援ロボットや介護ロボットの社会実装を進めること。また、個人による活用を広げるため、介護保険の適用を国に働き掛けること。

  • 県が主導して医療的ケア児の支援体制を構築し、地域格差のない充足した支援を展開すること。

  • 未来筋電義手センターとそれを支える筋電義手バンクのさらなる周知を図るとともに、人員や訓練用義手の拡充に努めること。

  • 企業における生理休暇制度の取得促進の支援や、学校等での生理用品の恒久的な無償提供を実施すること。

  • 性の多様性を尊重する社会の実現のために、県内自治体間の「自治体パートナーシップ認定制度」の連携を進めること。また、相談体制の拡充や就活・職場におけるハラスメント対策を推進するとともに、学校での教育について検討すること。

  • 10頭以上の犬猫等を飼育する場合、本県では届出が義務化されているにも関わらず、多頭飼育崩壊が相次いで発覚していることから、実効性のある制度とするよう検討すること。

 
以上