■ 有事の際に備えた自衛隊との連携について

【亀井の質問要旨】

 北朝鮮は、核実験を強行し、ミサイル発射を繰り返している。本県は、沖縄県に次ぐ第二の基地県であり、北朝鮮の攻撃の目標となっているという報道もある。さらに、世界各国でテロが発生している現状から、多くの県民の不安の声を聞くことも多くなっている。こうした中、今後の本県行政の舵取りにおいて、「危機管理」は重要なキーワードであり、とりわけ有事の際における経験や知見、機動力、マンパワーを持つ自衛隊との連携が重要になると考える。
そこで、ミサイル発射などの有事の際や有事が予想される事態、さらに被害が生じた後の対応において自衛隊との連携を強化していくことは重要だと考えるが、これまでの取組を踏まえ、今後、どのように連携強化を図っていくのか、所見を伺いたい。
 

【黒岩県知事の答弁要旨】

2011年の東日本大震災や昨年の熊本地震、今年7月の北九州豪雨災害などにおける過酷な災害現場には、常に自衛隊の姿がありました。その献身的な活動に被災者はもとより、多くの国民が感動し、感謝したところです。
 本県でも、大規模な災害対策やテロ対策における自衛隊との連携は、消防、警察と同様、極めて重要なものと認識しています。
 県では、日頃から、自衛隊をはじめ、消防、警察、海上保安庁などの実動部隊の代表者で構成する、「防災・危機管理対策連絡会議」をはじめ、様々な会合を通じ、顔の見える関係の中で情報共有や意見交換を実施しています。
 また、「ビッグレスキューかながわ」や、国民保護訓練など、大規模な実動訓練の実施にあたり、自衛隊の積極的な参加を得て、災害や有事に備えて、緊密な連携を図っています。
 さらに、安全防災局にかねてから自衛隊の退職幹部を受け入れており、その知見や経験、人脈は、県の危機管理対策における、自衛隊との連携強化に大きな効果を発揮しています。
 一方、北朝鮮の弾道ミサイル攻撃のような、武力攻撃の際には、その状況によって、住民の救出救助の方法も地震などの自然災害とは、自ずと異なってきます。
 自衛隊は、防衛任務の役割を担うことになるため、自然災害と同じレベルの協力を求めることは、なかなか難しいことが想定されます。
 このため、まず消防や警察などと連携して対応することになりますが、これまで実施してきた「ビッグレスキューかながわ」や国民保護訓練で培ったノウハウは、必ずや発揮できるものと確信しております。
 また、自衛隊による避難住民の誘導や救援などが不可欠な場合は、防衛任務に支障のない範囲で、派遣を要請できますが、その際にも、これまで私が構築してきた自衛隊との信頼関係や結びつきが活きるものと考えます。
 県としては、引き続き自衛隊と情報共有や意見交換を行い、緊密な信頼関係と連携体制をしっかり維持してまいります。

共生社会について

【亀井の質問要旨】

  真の共生社会推進には、高齢者や障がい者への配慮が重要である。しかし、そうした方々を支える支援の現場で、施設従事者による虐待事案も多く発生している。「真の共生社会」や「ともに生きる社会づくり」を進めるには、これまでのように分野ごとに縦割りで取り組むのでなく、支援を必要としている人に寄り添いながら、横串をさして取り組んでいかなければならないと考える。
そこで、①真の共生社会づくりに向けて、津久井やまゆり園再生基本構想案で示された、意思決定支援や人材育成について、今後の障害福祉施策において、どのように展開していくのか。また、②現在、地域福祉支援計画の改定作業を進めていると聞くが、次世代を担う若者世代の意識啓発や、分野横断的に共生社会づくりに取り組むことが重要と考えるが、どのように取り組むのか、併せて所見を伺いたい。

【黒岩県知事の答弁要旨】

津久井やまゆり園再生基本構想案では、厚生労働省の「意思決定支援ガイドライン」を参考に、利用者の意思決定支援に丁寧に取り組んでいくこととしています。                 
この意思決定支援では、利用者へのサービス計画を作成する「相談支援専門員」が中心となって、利用者への意思確認を行うこととなっていますが、本県では、この「相談支援専門員」の人数やスキルが不足している状況にあります。          
そこで、今後は、研修の充実などにより、「相談支援専門員」の養成数を増やし、支援技術を高めていくとともに、相談支援事業所への補助により、事業所内で相談支援に従事する専門員の拡充を図っていきたいと考えています。
また、意思決定支援を広く展開していくためには、ご家族や施設職員など障がい者を支える方々の理解も必要です。
意思決定支援の意義や内容について説明する機会を増やすなど、積極的な啓発活動を行ってまいります。
次に、分野横断的な共生社会づくりについてです。
地域には、障がい者のほか、高齢者や子ども、外国籍の方など、様々な方が暮らしており、これらの方も含めた「ともに生きる」共生社会づくりが重要です。
県では、より若い世代から共生社会への意識を高めるため、県内の小中学生を対象とした「福祉作文コンクール」を実施していますが、今後は、応募する小中学校を増やすとともに、高校生にも応募を呼びかけるなど、対象を拡大したいと考えています。 
また、「神奈川県地域福祉支援計画」の改定に当たっては、「福祉」に限らず、「雇用」、「住まい」、「教育」など分野横断的な支援体制を新たに構築し、分野別、年齢別の縦割りの支援ではなく、当事者中心に横断的な支援のできる人材の育成などについて検討していきます。
これらの取組みを通じ、「誰も排除しない、誰も差別されない」共生社会づくりを推進してまいります。

超高齢化社会の進展を踏まえた救急医療体制の整備について

【亀井の質問要旨】

   超高齢化社会が急速に進む本県において、高齢者が住み慣れた地域で安心して在宅療養生活を送ることができる地域包括ケアシステムを推進するため、まずは、「0.5次機能」として県民向けの救急電話相談・医療機関案内サービスを充実していくこと、また、在宅高齢者の急病時の一時的な入院の受け皿となる病床の整備など、その体制整備に向けて、今後、どのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

【黒岩県知事の答弁要旨】

これまで県では、軽症患者を受け入れる初期救急から、重症患者に対応する三次救急まで、救急医療体制の体系的な整備を、医療機関や市町村と連携して進めてきました。
 また、子どもの夜間における急な体調不良に対応する県民向けの電話相談、「#8000」や、医療機関向けに患者の搬送先を選定する代行業務にも取り組んできたところです。
 救急電話相談では、すぐに受診できる医療機関を案内する「医療機関案内」と、患者に救急対応が必要かをアドバイスする「救急相談」があり、この2つの機能により、患者の症状に応じた適切な救急医療機関の利用が期待されます。
 現在、横浜市が、24時間体制でこれら2つの機能を担う「#7119」を導入しているほか、川崎市などの9市でも、市民向けの医療機関案内を行っており、相談件数は増加していると伺っています。
 横浜市のような救急相談体制を全県に拡大するためには、市町村の既存の取組みとの連携や役割分担、財源負担といった課題がありますので、今後、これらの課題を踏まえ、検討を行っていきたいと考えています。
 一方、高齢者の急な入院やその後の対応としては、回復期の病床機能を充実することが重要です。そこで、県では「医療介護総合確保基金」を活用し、回復期病床の整備や在宅医療との連携などに対し、支援を行ってきました。
 今後は、こうした支援を継続するとともに、県内8地域に設置した「地域医療構想調整会議」などを活用して地域の医療関係者の意見を伺い、各地域の実情に応じて回復期病床の整備や転換が円滑に進むよう調整に努めていきます。
広域自治体として、超高齢化社会に対応した救急医療体制がしっかりと構築できるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

保育補助者の積極的な活用について

【亀井の質問要旨】

  待機児童解消の実現に向け、保育士の確保や定着を図るためには、保育士の負担を軽減する「保育補助者」の積極的な活用を図るべきと考えるが、所見を伺いたい。

【黒岩県知事の答弁要旨】

機児童ゼロを実現するためには、保育士の確保は必要不可欠です。
そこで、県はこれまで、県独自の地域限定保育士試験を実施して、保育士資格の取得と、県内での就労を促進するほか、保育士・保育所支援センターによる潜在保育士の復職支援にも取り組んできました。
そうした中、県が実施した「保育士実態調査」では、「職場に改善して欲しいこと」として、「職員数の増員」と「事務・雑務の軽減」が上位を占め、保育現場における多忙感や負担の大きさが明らかになっています。
具体的には、保育現場では、遊具の準備や、給食の配膳・後片付けなど、必ずしも専門的な知識や技術を必要としない業務もあります。
それらの業務を保育補助者に担ってもらえれば、保育士の負担を減らすことができ、意欲向上や離職防止にも効果があります。
一方、保育現場には、「何の研修も受けていない者が保育に携わるのは不安だ」という声もあります。
そこで、今後、「子育て支援員研修」の仕組みを活用して保育補助者に2日程度の受講を促し、基礎的知識を学んでもらうことで、補助者の質を確保し、保育現場の不安を軽減します。
さらに、保育士・保育所支援センターを通じて、研修を修了した保育補助者の就職をあっせんするなど、現場への保育補助者導入を促進します。
人材が不足する保育現場は、育児経験のある方はもとより、「人生100歳時代」を迎えた今、生きがいを求める高齢者にとっても、活躍できる場の一つです。
そこで、こうした高齢者への働きかけも含め、保育補助者の活用を進めることで、保育士確保を図り、待機児童の解消を実現してまいります。

多様な教育支援について
(1)インクルーシブ教育実践推進校の拡大について

【亀井の質問要旨】

 県立高校改革実施計画における、インクルーシブ教育実践推進校の拡大について、パイロット校の状況を踏まえ、現在、どのような考えで検討が進められているのか、また、Ⅱ期計画では、何校程度まで拡大するのか、併せて所見を伺いたい。

【県教育長の答弁要旨】

インクルーシブ教育実践推進校については、知的障がいのある生徒が高校教育を受ける機会を拡大するため、現在、茅ケ崎高校、厚木西高校、足柄高校の3校を、先導的な取組を行うパイロット校に指定しています。
パイロット校には、この4月に、合計で31名の、障がいのある生徒が入学し、一人ひとりが、必要な支援を受けながら、充実した高校生活を送っています。
現在、パイロット校は、中学校から連続した学びの中でインクルーシブ教育を実践できるよう、学校教育法等に基づく、連携型中高一貫教育を実施しています。そのため、志願できる障がいのある中学生は、各パイロット校が所在する地域の中学校に在籍している生徒に、限られています。
そうした中、県教育委員会には、パイロット校のない地域の保護者の皆さんや中学校長、市町村教育委員会などから、インクルーシブ教育実践推進校の早期拡大について、要望が寄せられております。
こうしたことを踏まえ、県内各地域の障がいのある中学生が、通学できる範囲に、少なくとも1校は、実践推進校が必要と考え、来年秋に策定する、平成32年度スタートの、県立高校改革Ⅱ期の実施計画に向けて、指定校の拡大を検討しているところです。
Ⅱ期計画で指定する学校については、今後、具体に検討してまいりますが、県内のすべての地域を対象とするため、通学時間を考慮すると、現在の3校のパイロット校のほかに、10数校の県立高校を指定する必要があると考えております。
県教育委員会では、実践推進校を全県に拡大することにより、すべての県立高校生が、相互理解を深めながら成長し、将来、神奈川における、共に生きる社会の担い手となって活躍してもらえるよう、取り組んでまいります。

多様な教育支援について
(2) 県立高校における通級指導の実施について

【亀井の質問要旨】

  通級指導を行う県立高校をどのような考えで選定しようとしているのか、また、今後の準備の進め方について、併せて所見を伺いたい。

【県教育長の答弁要旨】

◯県教育委員会では、高校での通級指導が可能となる国の制度改正を受け、県立高校改革Ⅰ期計画を変更し、平成30年度から通級指導を行う県立高校を複数校指定することとしています。
通級指導については、既に県内小・中学校で実施され、小学校は、県全域で88校、中学校は、3政令指定都市で合わせて10校で行われています。
また、県立高校においても、発達障害等の支援が必要な生徒を、国の研究開発校の取組の中で指導したり、特別支援学校と連携しながら指導を行ってきた学校があります。
高校への通級指導の円滑な導入のためには、通級を行っている小・中学校との連携や、県立高校での取組実績を考慮して指定校を選定することが望ましいと考えております。
こうしたことから、現在、横浜、川崎、県央の各地域の県立高校から、それぞれ1校は選定したいと考え、最終的な調整を進めているところです。
また、来年4月からの通級指導の準備を進めるに当たっては、個々の生徒の障害に応じた指導や支援ができるよう、担当する教職員の資質の向上や、校内の指導体制を整えていくことが重要です。
そのため、指定校の決定後は、教職員に研修を実施するとともに、特別支援教育に関する知識や経験のある教員を配置するなど、4月の導入に向け準備してまいります。

県営住宅の管理について

【亀井の質問要旨】

  県営住宅の管理のうち、入居者の常時募集、入居名義の引継ぎ、自治会活動への支援について、どのように対応しようと考えているのか、所見を伺いたい。

【黒岩県知事の答弁要旨】

県営住宅では、入居者の高齢化や空き家の増加などの、様々な課題について検討を進め、その成果を平成30年度に改定する「ストック総合活用計画」に反映することとしていますが、一定の成果が期待できる施策については、速やかに取り組むことが重要です。
そこで、まず、入居者の常時募集についてです。
募集戸数の拡大は、空き住戸の活用と家賃収入の確保の面から有効です。
そのため、昨年度から常時募集の戸数を増やしていますが、今年度は、さらに、定期募集で入居者が決まらなかった住宅を対象として、戸数の追加と期間の延長をしていきます。
次に、入居名義の引継ぎについてです。
県営住宅の入居は、公募が原則ですが、入居名義人が死亡したなどの場合、例外として、同居している配偶者等に名義を引き継げることとしています。
しかし、ここ数年、これまで認めていない子や孫からの求めが増えていますので、新たな入居希望者との公平性の観点から、どこまでを公募の例外とすべきか、専門家の意見を聞きながら検討していきます。
最後に、自治会活動の支援についてです。
高齢化が進む県営住宅では、草刈や清掃などが実施困難な自治会があり、外部委託する仕組みを現在、検討中です。具体的には、団地の規模や立地などの特性に応じて、委託内容や契約の手順などを整理し、各団地に提供していきます。
こうした取組を「ストック総合活用計画」の見直しと並行して進めていくことで、今後一層、県営住宅が住宅セーフティネットとしての役割を果たすことができるよう取り組んでまいります。

神奈川の水道について (1)渇水対策について

【亀井の質問要旨】

平成7・8年度当時の経験や今年の状況を踏まえ、渇水に向けた対応マニュアルを整
備し、事前に関係者の考え方を統一して、迅速に対応できる環境を構築しておく必要があると考えるが、所見を伺いたい。

【県 企業庁長の答弁要旨】

県は、これまで20年間は一度も渇水になりませんでしたが、今年は梅雨が記録的な少雨となり、宮ヶ瀬ダムが完成以来最低の水位になるなど、8月下旬からの給水制限も覚悟せざるを得ない状況になりました。
この間の渇水対策としては、事前に国と共に整理した基本的な方針に沿って、7月中旬より相模川からの取水量を制限し、8月上旬には東京都に対して、東京分水を削減する旨の予告も行ったところです。
その後、台風5号などにより貯水量が一定程度回復し、ひと段落していますが、県内4水道事業者や東京都と対策を調整してきた中で課題が見えてきました。
 本県の渇水対策の基本は、相模、城山、宮ヶ瀬の相模川水系3ダムが3ヶ月後には空になると予測された時点から対応を開始し、空になるのを5ヶ月先まで延命させるような対策を講じていくことです。
具体的には、3ダム合計貯水量が3ヶ月分に相当する1億5千万トン、夏の時期の貯水率で70%を割込むレベルに低下した段階から、相模川からの取水を抑制し、酒匂川に振り替える水系間の連携を開始します。
さらに、貯水率が40%を割込むレベルになると、東京分水削減や、県民への給水制限と節水の要請を実施し、以降、貯水量の低下に応じて対策を強化します。
このように、現在は、相模川水系の貯水量のみに着目して対応方針が整理されていますが、実際には三保ダムに水が貯まっていない場合や、梅雨期に貯水量が大幅に減少する異例の事態もあり、渇水対応のバリエーションを増やす必要があると強く感じました。
そこで、今年の状況を教訓として、相模・酒匂両水系の貯水状況を比較しての対策や、夏季、冬季など実施時期に応じた対策が迅速に講じられるよう、水道事業者と協議し、東京分水の扱いも含めた、より実践的な対応マニュアルを作成してまいります。

神奈川の水道について (2) 水道管路の更新について
【亀井の質問要旨】

県民のライフラインを守るために管路更新のスピードを上げていくことが急務だと考えるが、今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

【県 企業庁長の答弁要旨】

老朽化した水道管路の更新は、災害に対する備え、漏水事故防止等の点から、早急に進める必要があり、全国の水道事業者共通の最重要課題となっています。
 これに対して県営水道では、平成26年度から5ヵ年の水道事業経営計画を策定して、財政収支を見通し、限りある財源の中で、できる限り最大の管路更新に取組んでおり、具体的には、毎年約60kmの管路を更新しています。
 ただ、これを更新スピードの面でみますと、県営水道は給水区域が12市6町の広範囲にわたり、管路の総延長が9,200kmに及ぶこともあって、管路更新率は0.6~0.7%程度に留まり、全国平均を下回るレベルになっています。
 さらに、現在の更新スピードのままでは、将来、水道管の維持管理が困難となり、健全な水道事業運営に支障をきたす可能性があるといえます。
こうしたことから、管路更新は目標を定め、段階的に更新率を向上させていくことが必要です。
目標の考え方としては、現在の水道管は耐震性に優れ、腐食にも強く、100年以上の耐久性が期待できることから、100年に1回更新するペース、更新率として1%を目指さなければなりません。
しかしながら、これを実現するには、現在の年間更新費用約100億円の1.5倍以上の財源を毎年確保する必要があるほか、工事発注量に応じた職員の体制強化や発注方法の工夫、さらには工事を行う事業者側の人材確保・育成などの課題があります。
そこで、今後、次期経営計画を策定する中で、こうした課題解決の方策を含め、計画期間内に更新率を1%に向上させることを検討し、管路更新のペースを、現在の160年に1巡から、100年に1巡するよう、スピードアップを図ってまいります。

■ 中小企業支援機関の連携強化について

【亀井の質問要旨】

県内中小企業・小規模企業のライフステージに合わせた効果的かつ総合的な支援を図るため、今後、県として中小企業支援機関の連携を強化していくことが必要と考えるが、所見を伺いたい。

【黒岩県知事の答弁要旨】

中小企業・小規模企業の多様化、複雑化する経営課題の解決のためには、創業期、拡大期、再生期といった企業のライフステージに応じて、支援機関の柔軟な組合せを図り、相互に連携して、よりきめ細やかな支援を行っていくことが必要です。

例えば、再生期の企業における円滑な事業承継には、後継者の育成や税務、資産評価などをサポートする体制の充実が求められています。
そのため、県は中小企業支援機関や市町村等に呼びかけて、7月に、公益財団法人神奈川産業振興センターを中心とする「事業承継ネットワーク会議」を立ち上げ、「オールかながわ」による連携体制の強化を図ったところです。
今後は、県内6地域において、税理士や信用金庫など、地域に根ざした支援機関を中心とする機動的な体制で情報の共有を図り、企業の課題に迅速・的確に対応していきます。
また、創業期や拡大期においては、「中小企業・小規模企業活性化推進計画」に掲げた「経営と技術の一体的な支援」に加え、資金調達面のサポートを行う、金融を含めた支援体制の充実が必要です。
そこで、現在、神奈川産業振興センター、地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所、日本政策金融公庫、神奈川県信用保証協会との間で、企業の創業やイノベーション促進のための一体的支援の強化に向けた、業務協力協定の締結の検討を進めているところです。
今後も、企業のライフステージにおける様々な課題を解決するため、こうした支援機関の力を結集して、連携体制の充実・強化に取り組み、中小企業・小規模企業の更なる活性化を推進してまいります。

■ 人口減少期における市町村の広域連携について

【亀井の質問要旨】

  将来の市町村像をしっかりと見据え、持続可能な行財政基盤を確保していくためには、さらなる市町村間の広域連携の取組が必要と考えるが、今後、どのように市町村間の広域連携の取組を進めていこうと考えているのか、所見を伺いたい。

【黒岩県知事の答弁要旨】

人口減少・少子高齢化が進む中で、必要な行政サービスの水準を維持していくためには、単独の市町村が、全ての行政サービスを提供するフルセット型の行政ではなく、複数の市町村が連携して行政サービスを提供する広域連携の取組みが極めて有効です。
これまでも県内の市町村では、ごみ処理や消防、情報処理分野でのシステムの共同化など、地域の実情に応じて、事務の委託や一部事務組合など、様々な手法を活用し広域連携を進めてきました。
そして、これらの動きに対し、県は、市町村自治基盤強化総合補助金による財政的支援や、権限移譲を受ける市町村に対し県職員の派遣などの人的支援を行い、市町村間の広域連携を後押ししてきました。
そうした中で、平成26年には、「連携協約」という新たな手法が創設されました。
これは、国家間の条約のように、自治体間で協約を締結することで、中心となる自治体に公共施設を集約させたり、各種公共施設の設置を分担し合ったりすることが可能となることから、広域連携の取組みがさらに広がるものと考えています。
こうした広域連携は、まずは市町村が主体的に取り組むことが重要ですが、人口減少社会を迎えた今、県としても、これまで以上に市町村の取組みを積極的に支援していく必要があります。
そこで、今後、市町村の皆様の意見も伺いながら、それぞれの地域の特性を踏まえた具体的な広域連携のあり方について、県が市町村と一緒になって検討していく場づくりを進めるなど、市町村の広域連携の取組みをしっかりと後押ししてまいります。

働き方改革について

【亀井の質問要旨】

  サービスを提供する職員と、県民の双方にメリットがあり、生産性の向上に繋がる、真の「働き方改革」とするため、今後、具体的にどのように取り組むのか、所見を伺いたい。

【黒岩県知事の答弁要旨】

私が、働き方改革を進める上で何より重要と考えているのは、職員同士でしっかりと議論し、一人ひとりが自分の頭で考え、納得することです。
そのため、職員向けに「働き方改革ポータル」を開設し、改革の取組状況を見える化するとともに、自由に業務改善提案や意見交換を行う電子会議室を設置するなど、職員参加のもと改革を進めています。
先日、幹部職員の研修に、ある企業の幹部をお招きしました。その企業では、部署や役職の垣根を越えて全社員が繰り返し議論し、目標を共有することで、働き方改革と顧客サービスの向上を両立させているとのことでした。
今後、こういった経験を参考に、県庁の中でもさらに議論を活性化させ、職員が主体的に改革に取り組む組織風土を定着させていきます。
また、ベテラン職員が大量退職する中、仕事の質を確保していくことが重要です。そのため、高い専門性をもった職員の育成や、管理監督者のマネジメント能力の向上を図る研修を充実していきます。
さらに、業務見直しや職場環境づくりも大切です。
そこで、今年の政策議論の場では、限られた資源を最大限に活用し、新たな課題にしっかりと対応するため、事業の見直しや改善に積極的に取り組むよう、私から各局長に指示したところです。
また、今年度から、育児や介護に関わる職員を対象とした在宅勤務を導入するとともに、出張した際、近くの合同庁舎等で仕事ができるよう、サテライトオフィスも4箇所、設置しました。
7月からは、制度の充実に向け、在宅勤務の対象の全職員への拡大と、サテライトオフィスの利用条件を緩和する、「テレワークトライアル・イン・サマー」を実施しました。利用者からは、「時間を有効に使えた」、「仕事に集中できた」といった声が寄せられています。
今後とも、全ての職員が活躍できる職場環境づくりに向けて、テレワークの充実や、ICT環境のより一層の整備も含め、検討を進めていきます。
働き方改革は待ったなしの課題であり、こうした取組を全庁一丸となって進めることにより、組織としての生産性を高め、県民サービスの向上につなげてまいります。

■神奈川県立保健福祉大学の
三浦半島地区への地域貢献策等について

【亀井の質問要旨】

 県立保健福祉大学が、平成24年度末に開学10周年を迎えるに当たり、保健福祉大学のこれまでの歩みに関する認識を伺う。また、今後の10年の医食農同源など地域貢献の取組みをどのように進めていくのか併せて所見を伺う。

【黒岩県知事の答弁要旨】

○保健福祉大学はヒューマンサービスの実現を目指して、平成15年に開学し、本年度末に10周年を迎えます。
○これまで、看護、栄養、社会福祉、リハビリテーションの分野で約1,400人の人材を輩出してきましたが、この間の各種国家試験の合格率は全国平均を上回り、就職率は95%以上を維持しております。
○また、実践教育センターでは、看護や福祉の現場で活躍している方々のレベルアップを目的として、看護や介護の教員、病院での実習指導者、認定看護師の養成など、保健・医療・福祉人材の実践力の向上に取り組んでおります。
○さらに、平成19年には、大学院を開設し、保健・医療・福祉の研究者や現場の指導者の養成も開始しました。
○このように、保健福祉大学は、県内の保健・医療・福祉の人材育成に大きく貢献してきたと認識しております。
○今後10年の地域貢献の取組みに当たっては、ヒューマンサービスの理念の具体化を目指して、地域貢献・研究に係る学内外の連携調整や情報共有・発信を一元的に行う「地域貢献研究センター」を来年度中に開設いたします。
○また、大学の教員が高校の授業や地域の理学療法士の会合で出前講座を行ったり、学生サークル「シーラボ☆」が三浦半島の食材なども使った健康メニューを横須賀市役所や地域の事業者の食堂等に提供しています。
○また、高台の空き家にシェアハウスして住んでいる学生達が、近くの高齢者の買い物を手伝うなどの生活支援も行っております。
○今後とも保健福祉大学では、こうした地元に対する貢献を進めてまいります。

■いじめた子どもへの指導・支援について

【亀井の質問要旨】

いじめた側の子どもたちに対して、どのような指導、支援が必要であるのか、中でも、いじめを繰り返してしまうような子どもへの対応策について、どのように考えるのか所見を伺う。また、これまで、主に被害にあった子どもへの支援を中心に派遣してきた学校緊急支援チームの取組など、県教育委員会が行ういじめ対策の中で、子どもにいじめを繰り返させないという観点から、いじめた側の子どもへの指導・支援をどのように進めていくか併せて伺う。

【教育長の答弁要旨】

○いじめに関して、いじめた側の子どもたちへの指導・支援について、お尋ねがございました。
○いじめ問題への対応にあたっては、まずは、いじめられた子どもを最後まで守り通すことが大切であり、そのための支援を最優先に行う必要がございます。
○こうした取組にあわせて、いじめた側の子どもに対しては、どのような行為がいじめにあたるのかを気付かせるなど、適切な指導や支援の取組が必要でございます。
○中でも、いじめを繰り返し行う子どもへの指導については、繰り返し行ってしまう背景や要因を、的確に把握し、一人ひとりの状況に応じた対応策を講じることが重要でございます。
○こうした考えのもと、現在、各学校では、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーと協力し、家庭環境の問題や人間関係のストレスなど、個々の背景に応じた支援に努めております。
○さらに、学校では対応が難しい、緊急度の高い事案に対して、県教育委員会では、指導主事や臨床心理士を、学校緊急支援チームとして派遣する体制をとっております。
○しかしながら、これまでの取組は、いじめられた子どもへの支援に重きを置いたものとなっており、いじめた側の子どもが抱える、背景や要因に応じた対応については、必ずしも十分とは言えませんでした。
○そこで、今後は、従来のチームに加えて、新たに、いじめた側の子どもへの指導・支援を行うチームを編成し、同時に2つのチームを派遣する体制を整えてまいります。
○さらに、いじめを繰り返す子どもたちの立ち直りに向けては、児童相談所をはじめ、警察や保護司などとも、十分連携を図りながら、支援の充実に努めてまいります。